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2024.03.29

『サスティナブルな都市 渋谷』を目指して〜一般社団法人SWiTCH 佐座さんを迎えて〜

『サスティナブルな都市 渋谷』を目指して〜一般社団法人SWiTCH 佐座さんを迎えて〜

渋谷駅前エリアマネジメント 横山(左)と一般社団法人SWiTCH 佐座さん(右)

 

 

一般社団法人SWiTCH

代表理事 佐座 槙苗さん

 

 

渋谷駅前エリアマネジメント(以下、渋谷エリマネ)と、温暖化をくい止めサステナブルな社会を構築するためのプラットフォーム「一般社団法人SWiTCH」(以下、SWiTCH)は、「サステナブルな都市 渋谷」を目指して2024年4月より環境活動「GREEN XROSSING SHIBUYA」プロジェクトを始動いたします。

今回、SWiTCHの佐座さんを迎えて、今後の取組みやビジョンについて詳しくお話を伺いました。

 

 

渋谷エリマネ 横山(以下、横山):

渋谷エリマネとしてもっとまちを使いやすく・盛り上げる12の活動の1つに「AEMS(エリア・エネルギー・マネジメント・システム)・環境対策」を掲げています。ハード面の具体的な取組みの一例として、渋谷駅ハチ公広場観光案内所「SHIBU HACHI BOX」を、実質再生可能エネルギー100%で運営しており、年間約12tのCO2排出量削減が見込まれています。

また、「サステナブルな都市 渋谷」を目指すには、ハード面の取組みだけではなく、渋谷に集う人たちの環境に対する意識を変えていくこと、ソフト面での取組みも大事だと考えています。「環境」という課題に対して、渋谷だからこそ果たせる役割があるのではないかと考えたのがこの取組みのスタートです。渋谷の街の発信力を使って、来街者の行動変容につながるような取組みを一緒にできたらと佐座さんにご相談をしたことがきっかけです。

 

SWiTCH 佐座さん(以下、佐座さん):

日本は残念ながら、世界の中で5番目にCO2排出量が多い国です。地球は1個しかないのですが、今の日本のように暮らしていたら地球2.9個分の資源が必要です。でも、このような事実を世界の人も、もちろん日本の人たちも知らないのが現実です。私たちは、世代と業界を超えて地球1つ分の資源でどのように生きていくべきかという大きな問いを投げかけて、さまざまな活動を行っています。

 

横山:

本当に大きな問いですよね。そのような「環境」という問題に対して、渋谷のまちづくりをしているエリマネという立場だからこそ取組めることがあるのではと思っています。

 

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佐座さん:

渋谷は、多くの若者が集う、とても発信力のある街です。「環境」という課題に対して、街を訪れる皆さんにも価値観を変えるメンバーになってもらえたらと思っています。

渋谷エリマネの皆さんとお話ししていると、いつもどのようなテーマに対しても「渋谷の街と人をどう巻き込んで一緒に取組めるのか」というお話をされています。実は、「環境」という課題もできるだけ多くの人たちに知ってもらい、早いスピード感で取組んでいくことが求められています。いろんな人たちを巻き込みながら、渋谷の街の未来を考えている皆さんと一緒に取組めることはとても意味があることだと感じています。

私たちは2022年から国連環境計画ナイロビ本部と、世界のすべての18〜25歳に知っておいてほしい教材を日本語訳し、気軽に学べるオンラインコースを作成しました。地球規模で作成された情報を、日本でもたくさんの方と共有したいと考えています。

 

横山:

国連環境計画の教材は非常に意味のあるものですが、それが一部の人たちだけに読まれていても意味がありません。渋谷エリマネとしては、楽しくまちづくりをしたいといつも思っているのですが、その教材を活用しながら、環境に対して興味・関心がまだ湧いていない方々にも、興味を持ってもらえるように、+FUNな発信をしていくことから始められたらと考えました。「環境」と「人」との距離を近づけることが今回の+FUN PROJECTの狙いとも考えています。

具体的には、渋谷駅前の複数のデジタルサイネージを活用して、日常の中で環境に関する「クイズ」を楽しく発信していこうと考えています。

 

佐座さん:

例えば「ミツバチがこの世の中にいなくなったら人間は何年で生きていけなくなると思いますか?」「4年」「40年」「関係ない」3択クイズです。

 

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横山:

佐座さんとお話をしていると、いつもこの様な楽しい「問い」が投げかけられます。今の質問も、そもそもミツバチと人間ってそんなに重要な関係性なのだろうかとか。普段考えたことがない「問い」との出会いによって、環境について考えるきっかけをもらっていると感じます。

 

佐座さん:

まずは、皆さんに自分ごととして捉えて、興味を持ってもらえることが大切だと考えています。先ほどのクイズの答えは「4年」です。アルバート・アインシュタインが「もしハチが地球上からいなくなると、人間は4年以上は生きられない。 ハチがいなくなると、受粉ができなくなり、そして植物がいなくなり、 そして人間がいなくなる」と語ったことは有名です。世界の食料の9割を占める100種類の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒体しています。しかし、ミツバチの数は減少しつづけており、ミツバチを守ることは、私たちの食を守ることと直結しています。地球温暖化という問題は、私たちには本当に身近で重要な問題です。このような「問い」が、私たちが地球の様々な生物や自然に支えられて生きているということをもっと自分ごととして考えるきっかけになることが大事ですよね。

 

横山:

そのような「問い」を「渋谷」で発信することに意味がありますよね。

 

佐座さん:

そうなんです。私たちが渋谷を活動拠点としているのは、渋谷がエネルギーあふれる街だからです。渋谷は世界でも名前が知られている有数な場所ですし、日本だけでなく、世界の人からも注目されている特別な場所です。ここからサステナビリティを発信すること自体に価値があり、とてもシンボリックな出来事だと思います。

 

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横山:

渋谷駅前の複数のサイネージでタッチポイントを作りたいと思っているので、いかに渋谷で偶然見ていただいた人たちの行動変容につなげていけるのかということを、これから佐座さんと一緒に取組んでいきたいですよね。

 

佐座さん:

その時に、勉強モードにならないようにしたいと思っています。「環境」という視点だけでなく、様々な視点からクイズで問いかけることで、渋谷の街中で、ふと立ち止まった時に暮らしやビジネスの中で、環境ポジティブなアクションをするきっかけになったらうれしいです。

 

横山:

今回のクイズが、国連環境計画がベースになっているということが重要だと思っています。グローバルな視点の環境問題に触れてもらうことで、渋谷と世界と繋がっているということを感じてもらえればと思います。

 

佐座さん:

そうですね。渋谷は未来を担う若者が集まる場所で、世界で活躍している人が集まっているポテンシャルの高い場所でもあります。気候変動とともに生きていくのはまさに若い世代の人たちなので、日本と世界をつなぎ、地球全体を見渡す視点から一緒に考えていく作業をしていきたいです。

 

横山:

渋谷には多くのスタートアップが集まっていますが、渋谷で働く方々の環境に対する意識が変われば、各企業活動の中での環境アクションに繋がるのではと思っています。それが、渋谷の未来へ向けた「GREEN XROSSING SHIBUYA」プロジェクトに込めたひとつの願いでもあります。

 

佐座さん:

渋谷エリマネさんは+FUN PROJECTを通して、渋谷の皆さんに寄り添いながら一緒に未来を作っていこうとされていると感じています。一緒に考えて、それぞれの想いや考えに耳を傾けて、いろんな人たちを巻き込みながら、渋谷を愛する人が渋谷をつくっているのを感じます。「サステナブルな都市 渋谷」を目指すというビジョンを通して、渋谷の街に関わる人たちが大きなファミリーとして「環境」という問題に対しても活動していけたら素敵ですよね。

 

横山:

本当にそう思います。渋谷エリマネは、「渋谷のまちづくり」という共通の目標に向かって、行政・地元・事業者等の立場を超えて活動をしていますが、立場を超えて共通のビジョンを目指すという意味では「環境」も同じですよね。街で出会った「問い」によって考えるきっかけが生まれ、「サステナブルな都市 渋谷」に向けて、「GREEN XROSSING SHIBUYA」に対する賛同の輪が広がっていけばと願っています。

 

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