「さらなる渋谷への期待」「地下空間」「渋谷川」「neo SHIBUYA」をテーマに、広大な地下空間に、20名のアーティストの感性が詰まった作品群を展示します。渋谷さまざまな魅力に気付き、 感じてもらいながら、改めて渋谷のまちを楽しく巡り歩いてもらえたらと思います。
アートディレクション:hiromi yoshii(吉井仁実)
概要
期間:2019年11月1日(金)~12月7日(土)
時間:始発から終車まで
場所:渋谷駅東口地下広場
作品紹介
1.
地下広場の空気の流れを可視化し、流体の動きが渋谷川のとめどない流れそのものだけではなく、日々渋谷駅の地下広場を行き交う人々のエネルギーや空気感を表現。見る側の人々に自由に色をつけてほしいという、極めてフラットな自由度の高い、モノクロ写真のように、見る側の創造性を育む作品です。
脇田玲
アーティスト、サイエンティスト。慶應義塾大学環境情報学部教授。博士(政策・メディア)。日産LEAFと一体化した映像作品「NEW SYNERGETICS ?NISSAN LEAF X AKIRA WAKITA」(2017)、「高橋コレクション『顔と抽象』-清春白樺美術館コレクションとともに」(2018)。『scenery』 ── 脇田玲 展 清春芸術村 ルオー礼拝堂(2019)。
2.
気鋭の若手アーティストによるデジタル作品群です。彼らが用いるCG、電子音楽、映像、グラフィックはSNSが普及した現代の象徴的な表現であり、渋谷というユースカルチャーの発信地から未来への期待感「neo SHIBUYA」をこめた抽象作品として提案しています。
(左から)
Yutaka “FMS_Cat” Obuchi
たった64キロバイトのHTMLドキュメントより生成された映像作品です。
レオル
アブストラクトなオブジェクトと、3色の光が融合するとどのような表情に生まれ変わるのか、実験的に制作された作品です。
Kakuya Shiraishi
曲線の解析からそれぞれのベクトルの変化を表すフレネ・セレの公式によって導き出された曲線群です。
瀬賀 誠一
プログラム、物理シミュレーション、ジェネレイティブといった手法をとりいれたハイエンドなCG作品を多く手がけ、アーティストとして国内外で作品を発表、ライブパフォーマンスを行っています。
Ryota Niinomi Takemoto
未来の都市とそこで生まれる人々の営みを極度まで抽象化した作品です。SFのような未来のイメージをアニメ調とビビットなカラーで表現しています。
かねた
Next Stage、新天地への期待。未来を感じる空間になってほしいという想いを込めた作品です。
phi16
バーチャル世界の浴衣の柄として使う為に作られた作品です。静動兼ねた和の荘厳さと絢爛さを直接見える形に落とされています。
高尾俊介
斜線同士がリンクすることで、短いコードから複雑なパターンが生成され、線に沿って接する円が大きさを変えながら移動していく作品です。
ritoco
渋谷は、常に多くの情報や人、物が流れて変化し続ける街。それにインスピレーションを受け、広大な海の海面をイメージした作品です。
Norihiro Narayama
広く見るとまとまっているように見えて、目をこらしてみると、少しづつ違った色が見えてきます。
3.
渋谷が世界中の人々を魅了し続けている理由は、カルチャーが生まれる場所だから。カルチャーが生まれる土壌には「寛容さ」が必要。街における寛容さとは異なった意見や立場を持つ人々が行動することを受け入れる力。様々な菌類の働きがあってこそ土壌が豊かになるように、渋谷特有の混沌とした環境がこの街に豊かなカルチャーを育んで来ました。作品を提供してくれたアーティスト達は皆、ストリートカルチャーをスタート地点として活動を展開して来た人々です。これからも渋谷が舞台であり続けられるように、願いを込めてこの作品を提供してくれました。
(左から)
DIEGO
東京で活動するストリートアーティスト。とある立体駐車場の内部に描いた壁画です。車でしか交通できない通路に50mにものぼる壁画を描き、立体駐車場を壁画のある洞窟空間に変容させています。また車を題材としたポップな絵柄が目を惹きます。
LUCAS DUPUY
1992年生まれ。ロンドン在住。自身が難読症を患った経験から、建築図面と文字が交わった幾何学的な抽象絵画を描いています。独特な幾何学形態の表現は、光の差し込むビルの外壁のようでもあり、古代文字の描かれた石版のようでもあります。LUCASは度々日本に訪れ、2019年は渋谷区で個展も開催しています。
RUSSEL MAURICE
1975年ニューキャッスル生まれ、東京をベースに活動。日本のアニメや漫画の表現を取り入れた様々な既視感のあるキャラクター達が溶けて混じり合うような抽象絵画を描いています。国内外で人気を集めるファッションブランドのディレクターでもあり、アートとファションにおいて日本とイギリスのカルチャーを繋いでいます。
BABU
北九州で活動をするアーティストBABUのスケートボードを題材に制作したシリーズです。スケートボードで疾走する自身の姿を、街の風景にプロジェクターで映し出している様子です。スケートボード文化が場所の枠組みを超えて人々の精神を繋げることを表現しています。
NAMPEI AKAKI
東京で活動する写真家NAMPEIの写真です。NAMPEIは普段より夜の街の光を撮影したシリーズを多く発表しており。この作品は写真の上にさらにマスキングテープを貼って、スプレーで塗装をして制作されています。光を写した写真にさらに色を重ね、写真に写る以上の都市空間に溢れる光の鮮やかさを表現しています。
菊地良太
1981年生まれ、東京藝術大学先端芸術表現科修了。フリークライマーでもある菊地は、街の様々な障害物に登ったり、ぶら下がったりする自身の姿を写真に写します。写真は許可を得て、街の街頭に登り撮影された作品です。菊地の作品は風景の見方を転換させ、街の風景に広がりを持たせています。
STAUCHU SZUMSKI
ポーランドで活動するSTAUCHUは、世界各国の文字や記号、漫画やアニメを組あせた抽象絵画を描きます。写真の作品はまだポーランドが共産圏であった頃の、独特な建物に描かれた壁画です。日本のアニメや漫画に興味があるのは勿論のこと、甲骨文字や家紋などにもインスピレーションを受けています。
BIEN
1993年東京都生まれ。文字の線や漫画やアニメのキャラクターのアウトラインをなぞり、独特な描線で壁画やドローイング作品を制作しています。写真の作品は、廃屋となった建物に壁画を描くプログラムで制作された作品です。