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渋谷川の封印が解かれた!

こちらが昨年1月頃の工事の様子です

現在、工事中の渋谷駅東口。
山手線渋谷駅の東側にあった東急東横線・渋谷駅と東急百貨店東横店・東館はすでに解体され、地下鉄銀座線の線路だけがニュッと飛び出した状態になっています。

2027年まで予定されている大工事。
そんな中、昨年のはじめ、「渋谷川の封印が解かれた!」とSNSを中心に話題になりました。

実は渋谷駅の地下には渋谷川という川が流れていて、東口工事の途中でその一部がひょっこり顔を現したのです。

「渋谷駅の地下に川が流れていたなんて知らなかった!」

数十年ぶりに姿を見せた渋谷川を見た人たちから、そんな声が相次ぎました。

渋谷は谷地形であり、谷底にあたる部分に流れているのが渋谷川です。そもそも「渋谷」という地名は、渋谷川を流れる渋色(赤土色)の水が由来になっているという説もあります。

国道246号線に近い稲荷橋下流については、川が地表に顔を出しているのでご存知の方も多いでしょう。

渋谷駅東口地下工事現場へ潜入!

ヘルメットに作業着、ブーツ姿でヒカリエからの連絡通路を歩きます。

渋谷駅東口の大工事はさらに進み、渋谷川はどうなったのかというと、なんと現在は流れそのものを変える工事に着手しているのだそうです。

ならば、この目でたしかめたい!
渋谷川のある渋谷の地下にもぐってみたい!
……という、無茶なお願いを渋谷駅東口を工事している施工代表者の東急さんにお願いしてみました。

「あの~、渋谷の地下に潜って
渋谷川を見てみたいんですけど……」
「いいですよ!」
「マジですか!」

……という会話は実はウソで、誰でも簡単に見学できるわけではありません。今回の取材は、関係者のみなさまが骨折っていただいたおかげで実現しました。あらためて御礼申し上げます。ありがとうございました!

というわけで、ヘルメットとブーツを着用したわれわれ取材班は、渋谷川への入口へと向かいます。

いざ、渋谷の地下空間へ!

ホントにタクシー乗り場のすぐ隣です。

取材班を案内してくれるのは、東京急行電鉄・都市創造本部の森正宏さん。
渋谷駅東口工事の現場を統括する所長さんです。
さすがの着こなしで作業服がビシッと決まってます。

渋谷駅東口のバスターミナルのすぐそばに、巨大な地下工事現場への入口がありました。

さあ、いよいよ地下へ潜ります! 興奮する!

本当に狭い階段をえっちらおっちら降りていきます。
降りて、降りて、降りていくと……。

見えた!

デデーン!これが現在の渋谷駅東口地下!

JR渋谷駅と明治通りの間の地下は、今このような姿になっているのです。

今見えている床から地上までの高さは約11メートル、

この床は貯留槽の天井であり、この下には、ゲリラ豪雨などの雨水を溜め込む巨大な貯留槽
地上から25メートルの深さに作られているとのこと。

写真左側に見えるぶっとい鉄柱は、地下鉄銀座線を支えているもの。
もともと銀座線の基礎は地下25メートルまで達していなかったので、この工事のために作ったそう。
なんともスケールのデカい話です。

そして、この空間に将来、人々が集まる約1600平米の渋谷駅東口地下広場が完成する予定なのです。

重機がはるか下に見える。ここで100人以上が工事に従事している。

巨大なパイプは地上とつなぐ換気口。

とにかく巨大な空間だというのがおわかりだろうか。

この壁の裏側を副都心線が走っている。

地下空間の断面図を示して説明してくれる森さん。

断面図の黄緑色で囲われているのが東口地下広場。
濃い青色の部分が地下貯留槽。
そして水色で囲われているのが、今後移設される
新しい渋谷川です。

なんと、
地下広場の上を渋谷川が流れるという計画!

すごい!

新しい渋谷川(新設渋谷川)が東口地下広場の上で
グインとカーブを描いていることがわかる。

あらためて、渋谷駅東口工事とは?

現在行われている工事の正式名称は「渋谷駅街区土地区画整理事業」というもの。

そもそも渋谷の街に駅が開業したのは明治時代のこと。

若者の街であり、世界に向けて文化を発信する街でもあります。
ところが、駅の周辺施設は大正時代から移設や増改築が繰り返されており、複雑怪奇なラビリンスと化してしまっていました。

そこで、2027年までかけてガラッと渋谷の駅周辺を使いやすくしよう!

というのが今回の工事の目的です。

渋谷駅東口の将来整備イメージ。新しい渋谷川と地下広場の位置関係がわかる。

おおまかな渋谷駅周辺の将来図。図中央の、青い線で凸型に囲まれた部分に新しい駅ビルができる。

JR渋谷駅をまたぐ形で新たに3棟のビル が建てられるほか、
東西の駅前広場が再整備され、東口には人が集まる地下広場も新設されます。

駅周辺の歩行者デッキや通路を整備して、宮益坂から道玄坂までがつながり、
さらに「アーバン・コア」と呼ばれる立体的な歩行者動線(大きなエスカレーターとエレベーター)が
渋谷のあちこちで地上と地下を結び、人々が交流する開放的な空間が生まれます。

さらに渋谷川の下流は緑豊かな水辺の広場になる予定とのこと。

これも貴重なショット。先ほどの地下空間の写真の右部分にあたる。東口地下広場の天井の上であり、この上を新しい渋谷川が流れるのだ。現在は防水作業の真っ最中。

狭い通路をグルグル歩く。右側は巨大な空洞だ。
高所恐怖症の人も閉所恐怖症の人もアウトだろう。

そしてついに渋谷川へ!

渋谷駅東口の工事の概要はだいたいわかりました。

そしていよいよ、現在移設工事中の
渋谷川ブロックに乗り込みます!

先ほどの巨大な地下空間とはまだ壁で隔絶されているため、
一度外に出て、あらためて渋谷川への入口へ!

また狭い階段を降りていきます。緊張!

渋谷川入口のところにあった看板。
「5分で増水」というシンプルな標語が危険度を示している。

ついに来た! 目の前で工事をしているのが新しい渋谷川です。

現在、古い渋谷川にはほとんど水が流れていません。

渋谷川の上流部分から流れてきた水は、宮下公園の交差点の付近にある分水堰(越流堰)を通って、
明治通りの下に埋められている下水道「渋谷川幹線」に流れ込んでいるからです。
しかし、激しい雨で水位が分水堰の高さを超えると、こちらの古い渋谷川に水が流れ込んできます。

取材日も、数日前に台風があり、上流から下水があふれてしまったとのこと。

下水があふれたら、工事のためにいちいち汚れを落とさなければいけません。
左の人は、まさに下水を掃除している真っ最中。大変なお仕事です。

これが古い渋谷川(既設渋谷川)の上流にあたる部分。

一番奥にゴム製のカーテンがあり、さらに上流の下水の匂いをシャットアウトしてくれている。

この天井の上が宮益坂から道玄坂に
つながる道にあたるとのこと。

地上を歩いているときは、まったく想像できなかった光景です。

ここがちょうど東急百貨店東横店・東館があった地下のあたり。

東館は東急百貨店東横店の中でも最も古く、
昭和9年に建てられている。
つまり、この地下の構造物も当時のものということ。

このあたりも将来的には東口地下広場の空間の一部になり、
古い渋谷川の痕跡は消えてしまいます。

上流に背を向け、古い渋谷川を南方向に歩く。

古い渋谷川は新設部分と合流して、外に出ます。
光が見えるのは、渋谷駅の南側にある稲荷橋の下のあたり。

稲荷橋方面から見た渋谷川の出口。
この周辺は、水の広場となります。

新しい渋谷川の途中に仕切り壁が見えますが、その向こう側でも工事は進行中。
新しい渋谷川は、東口地下広場の上を通り、一部は新たな駅ビルの中(地下部分)に収納される予定とのこと。
この渋谷駅の切り替え部分が今回の渋谷駅東口工事のクライマックスと言えるでしょう。

渋谷川の脇にかけられたハシゴを使って地下を出ると……。
目の前にヒカリエがそびえたっておりました。
川口浩探検隊になった気分(古い)。

まだまだ渋谷駅東口の大工事は続きますが、
このような地下工事現場取材は今回が最初で最後でしょう。

特に古い渋谷川を直接見るのは今回が最後になると思います。

「大変大掛かりな工事のため、とにかく安全を第一に心がけています。周囲のみなさまにも迷惑がかからないように、無事に新しい渋谷駅の周辺を完成させたいですね」

と、静かに意気込みを語る森さん。

夏は40度を超える暑さ、冬はしびれるような酷寒、大雨が降ったら一から清掃……と、

渋谷駅の地下工事は本当に大変なことばかりですが、無事に終わることを心よりお祈りしております。

森さん、工事関係者のみなさま、ありがとうございました!
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